終身雇用制度はなぜ廃れたのか?その歴史と現代の働き方の違い
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question
終身雇用制度が無くなってきた経緯と、その理由を教えてください。また、現代はどうなっていますか?
現代進む雇用形態とは
終身雇用制度とは、企業が定年まで正社員を雇用する人事制度です。
日本では戦後の高度経済成長期に導入され、長く続いてきましたが、近年は衰退しつつあります。
その経緯と理由は以下の通りです。
- 経済の低迷とグローバル化:バブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機により、企業は人件費を削減する必要に迫られました。また、国際競争が激化し、成果主義や柔軟な雇用形態が求められるようになりました。これらの要因で、終身雇用制度は非効率的で非合理的と見なされるようになりました12。
- 労働者の意識の変化:終身雇用制度により安定した雇用と収入を得られるというメリットは、能力や成果に関係なく年功序列で評価されるというデメリットと表裏一体でした。しかし、労働者の多様化やキャリア志向の高まりにより、自分のスキルや希望に合った働き方を求める人が増えました。終身雇用制度にメリットを感じない労働者が増え、転職や副業などの選択肢が広がりました34。
- ITの進化:IT技術の発展により、人の手で行っていた作業がデジタル化され、ロボットやAIが代替することが可能になりました。これにより、人件費を削減できるだけでなく、生産性や効率も向上できるようになりました。また、IT技術の普及により、テレワークやフリーランスなどの新しい働き方も増えました 。
現代の終身雇用制度は、完全に廃止されたわけではありませんが、大幅に縮小されています。
終身雇用制度を採用している企業は、主に大企業や公務員などの一部に限られています。
また、終身雇用制度を採用している企業でも、早期退職や希望退職の募集、成果主義の導入などの対策を行っています 。
終身雇用制度は、日本の経済や社会の変化に対応できるかどうかが今後の課題となっています。
最新の調査結果
question
終身雇用制度を採用している企業は何%ですか?
最新の調査結果
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構の「第7回勤労生活に関する調査」(2020年)によると、終身雇用制度を「実施している」と回答した企業は48.3%でした。
- 東京商工会議所の「2023年度第2回中小企業景気調査」(2023年11月)によると、終身雇用制度を「実施している」と回答した中小企業は42.2%でした。
年代別の変化
- 終身雇用制度の導入率は、年代によって大きく変化しています。
- 厚生労働省の調査によると、1995年には大卒正社員の約8割、高卒正社員の約6割が終身雇用制度を採用していましたが、2016年には大卒正社員は約5割、高卒正社員は約3割まで低下しています。
終身雇用制度の将来
- グローバル化や少子高齢化などの影響により、終身雇用制度は今後も縮小していくと考えられます。
- 一方で、終身雇用制度のメリットを活かしつつ、現代社会に合った新しい雇用制度を模索する企業も増えています。
参考資料
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「第7回勤労生活に関する調査」
- 東京商工会議所「2023年度第2回中小企業景気調査」
- 厚生労働省「雇用動向調査」
補足
- 終身雇用制度は、日本企業特有の雇用制度であり、欧米諸国では一般的ではありません。
- 終身雇用制度には、従業員の安定的な生活を保障するメリットがある一方で、企業の競争力を阻害するデメリットもあると言われています。