借金で投資？S&P500への投資で得られる可能性のある利益とリスク

甘く見ないで

投資のシナリオを考える際には、リスクとリターンの両面を慎重に評価することが重要です。S&P500の平均成長率は長期的には約7%から10%とされていますが¹²、年によって大きく変動することがあります。また、過去10年間の平均リターンは約14.7%というデータもありますが³、これは例外的な高リターンであり、毎年同じリターンが得られるとは限りません。

一方で、銀行のカードローンの利息は年に約14%前後とされています⁴。この利息は確実に支払う必要があるため、投資のリターンが予想より低かった場合、利息の支払いで損失を被る可能性があります。

ご提案のシナリオでは、50万円を借りてS&P500に投資し、40%のリターンを得ると仮定していますが、実際の市場ではそのような高いリターンを毎年得ることは非常に困難です。また、投資には元本が減少するリスクも伴います。したがって、銀行からの借入金で投資を行う場合は、特に慎重な検討が必要です。

計算上の利益については、以下のようになります。ただし、これはあくまで理論上の計算であり、実際の投資結果は異なる可能性があることをご理解ください。

1. S&P500への投資で得られる理論上のリターン:

投資額×成長率=500,000円×40%=200,000円

2. カードローンの利息の支払い:

借入額×利息率=500,000円×14%=70,000円

3. 理論上の純利益:

投資リターン−利息支払い=200,000円−70,000円=130,000円

この計算は、投資が予想通りに進んだ場合のみ成立します。市場の変動や投資のタイミング、税金、手数料など、実際には多くの要因が利益に影響を与えるため、実際の利益は計算上のものとは異なることが多いです。投資は自己責任で行う必要があり、特に借金をしての投資は高リスクであることを認識してください。また、投資に関する決定を行う前には、金融専門家のアドバイスを求めることをお勧めします。

まとめ

確かに、理論上は非常に魅力的な試算と言えます。しかし、実際には、以下のような点に注意する必要があります。

1. 過去の成長率は将来の保証ではない

S&P500が過去一年間40%成長したとしても、それは将来も同じように成長するとは限りません。むしろ、過去よりも低い成長率、あるいはマイナス成長となる可能性も十分に考えられます。

2. 投資には必ずリスクが伴う

投資には必ずリスクが伴い、損失を出す可能性も常に存在します。S&P500の場合も例外ではなく、経済情勢悪化などの影響を受け、50万円を下回る価格になってしまう可能性もあります。

3. 金利は変動する

銀行カードローンの金利は、市場金利の変動によって将来的に上昇する可能性があります。そうなると、当初想定していたよりも利息負担が大きくなり、利益が減ってしまう可能性もあります。

4. その他の費用

投資には、取引手数料や信託報酬などの費用がかかる場合があります。これらの費用も考慮しないと、実際の利益は試算よりも低くなります。

5. 50万円という金額

50万円という金額は、個人の生活状況によっては決して小さな金額ではありません。もし投資に失敗した場合、生活に支障が出る可能性も考えられます。

結論

上記のように、50万円を借りてS&P500に投資することは、一見魅力的に見えるものの、実際には様々なリスクが伴います。投資判断を行う前に、十分な調査を行い、自身の状況をよく理解した上で慎重に検討することが重要です。